
元日、午前二時頃の月。
“たまさーん”と 呼びかけました。
きのうは たまさんの月命日でした。
ひと月がたち、新年を迎えて、わたしはまだ たまさんのいない日々にちっとも慣れません。
からっぽのうさぎ部屋が寒いです。
がちがちに心凍えながら
恒例「地獄の」大晦日&正月特訓授業、冬期講習に突入し
たまさんは?たまさんどうしてる?と 毎日きく生徒たちに
冗談を言いながら毎日すごし
最終日にとうとう もう隠し果せなくなって
じつはねえ、たまさんお年寄りだから、とうとう、先月死んじゃったんだ……と
つい口にしてしまいました。
しんと凍った教室の空気。
わたしは笑って軽くそう言ったのに
暴れ者の生徒たちが無言で真顔になってかたまり
数名は涙を浮かべてしまったので
ああ、言うんじゃなかった、と思いました。
五年生のみんな、ごめん。
ほんとに、みんなに好かれた、アイドルのように愛されたうさぎでした。
いまだにみんな、ノートにたまさんの絵を描きまくってるしなー。
たまさん、もてもて。
亡くなったら、このブログもやめようと思っていました。
no rabbit means no company だし。
たぶん私は心弱いから、アル中悪化して連続飲酒発作で社会復帰できなくなるだろうと覚悟して。
そんなことはありませんでした。
そのとき、いてくれた人たち、声をかけてくれた人たちがあまりにも有り難くて
自暴自棄になんて なりたくてもなれませんでした。
亡くなる前日のメールひとつで
すぐに飛んできてくださった、たまさんの「お母さん」こと遠藤店長。
仕事で出かけざるを得なかったわたしにかわって、さいごを看取ってくださって
ほんとうにありがとうございました。
たまさんが、さみしく旅立ったりすることがなくて、ほんとうによかった。
「おい。死ぬなよ」とはっきり言ってくれたハラダさん。
わたしが「たまさん死んだら死ぬつもり」と 冗談めかして言っていたのを
本気のヤバいサインとして受け取っていてくれていた。
実際問題、自棄になっている瞬間に助けてくれました。ありがとう。
「これからはおれが、まなちゃんに元気になってもらえるようがんばるよ」と
言ってくれたゆだっちさんにも感謝です。
ひつじたん、けんけんさん、ちゆきさん、ひぐちさん、
ありがとう。
わたしはなんだか充分にぐれていて、もう何がどうでもよくなっていたけれど
正気にかえりました。
あたたかい言葉をかけてくれてありがとう。
冷たい意地悪なことばも充分に聞きましたけれども…。
わたしのことはともかく、生徒は子供だからはっきりと
「かわいそうなのは、先生じゃなくて、たまさん!」
と言ってくれるので。
自己憐憫になんぞ堕ちずに済みます。
ありがたい世界にわたしは今なお生きています。
たまさんがいない世界はやたら寒いけれど。
優しい人々のいる世界のために おもろいことを言いながら描きながら書きながら
生きていこうと思います。
ああ、笑おう、笑おう。
「ペットの葬儀屋」さんに電話で火葬をお願いしたら
「うさちゃんですね、では骨壷は一番小さいサイズになります」
と言っていたのに
いざ家に来てもらったら
葬儀屋さん、たまさんを見て「うっ」と息をのみ
「お…大きいですね。あのう…骨壷は…、あの、ええと“ジャンボ”になります」
と。
たまさん、ジャンボー!
今、たまさんはジャンボサイズの骨壷におさまって
うさぎ部屋の棚の上に神々しく安置されております。